陳瞬臣の歴史小説
陳瞬臣の歴史小説
陳瞬臣の歴史小説が好きだ。
中国に関する多数の歴史小説を残した陳瞬臣。
中国の歴史を知るにあたって、彼の小説は多いな手助けとなる。
中国4000年の歴史。
その歴史のロマンをわかり易く、面白く記した小説がある。
そう、「小説十八史略」である。
以下に、僕の感想メモを記す。
小説十八史略〈1〉 講談社
小説十八史略〈2〉 講談社
小説十八史略〈3〉 講談社
小説十八史略〈4〉 講談社
小説十八史略〈5〉 講談社
小説十八史略〈6〉 講談社
お薦め度 ★★★★★★★★☆☆
内容紹介
司馬遷の十八史略を、一般の日本人のために楽しく中国史を学べるように小説風に書きなおした作品。
2000年に及ぶ中国の変遷を、わかり易く、面白く、書いている。
中国の簡単な神話から紹介され、殷の末期から周が起こり、やがてそれが分裂して秦が台頭してくる頃から始まり、宋が元に滅ぼされ、フビライが中国を支配し始めるところで終わる。
以下は各巻の概要。
【第1巻】
夏に先だつ幾千年、中国中原に君臨した神々。
時代は下り、やがて殷へ。
暴君紂王を倒して次なる世界を開いたのは周だった。
その周を大動乱をへて秦に統一される。
―英雄は激動の時代に生まれる。
大陸も狭しと潤歩したあまたの梟雄豪傑たち、そして美姫。
その確執葛藤の織りなす人間模様を活写。
【第2巻】
始皇帝死後、陣勝、呉広の乱に端を発し、中国大陸はふたたび戦乱の渦にまきこまれた。
項羽、劉邦の相次ぐ挙兵。
大秦帝国はもろくも滅んだ。
そして劉邦と項羽の争いは劉邦に凱歌があがる。
漢の誕生である。
文帝、景帝につづいて即位した武帝は、漢に黄金時代をもたらす。
時代を動かす英雄たちの足跡。
【第3巻】
名君武帝を得て、空前の黄金期を迎えた前漢にも、やがて衰退の風が吹き始める。
西暦8年、帝位を簒奪した王莽は新を樹てた。
しかし、その政権は余りにもあっけなく滅ぶ。
―英雄は激動の時代に生まれる。
大陸も狭しと濶歩した梟雄豪傑たち、そして美姫。
その確執葛藤の織りなす人間模様を活写。
【第4巻】
三国志時代、それは中国史上でもっとも波乱に富み、もっとも興味深い時代である。
後漢の無法政治の闇のかなたからヒーローの時代の光が差す。
諸葛亮孔明と劉備の親交、曹操の権謀、孫権の術数など、人々は躍動し、蠢動する。
そして、次なる隋の大統一達成まで、時の流れは瞬時によどみもない。
【第5巻】
隋の煬帝とは従兄弟、北朝の名門・李淵が挙兵し次男李世民の活躍で無血の政権獲得に成功。
唐王朝がうぶ声をあげた。
女帝武則天の周をはさんで、絢爛たる時代が花ひらく。
玄宗皇帝の宮廷に楊貴妃の笑声が、乱舞する美女群の嬌声が、弦歌の音色とともにこだまする―。
中国史の醍醐味の極みを描く。
【第6巻】
安禄山、史思明の乱による唐の疲弊ははなはだしかった。
一応の命脈は保っていたが、黄巣の乱を経て、ついに梁にかわられる。
中国大陸はふたたび覇権争いの修羅場と化し、北宋、南宋の約2世紀半の春秋を送った。
やがて、平原のかなたに湧き起る旋風、モンゴルが荒々しく雄々しく台頭の兆しをみせる。
メモ
数千年にわたる中国の歴史。
為政者がお金や酒、女に溺れたり、親族を側近として重用するようになると、どんどん国が傾いていく。
そして政権が崩れ、英雄が現れ、新たな政権が起こる。
歴史はその繰り返しであるということが分かった。
また、国が傾く法則、国を救う法則などが学べた気がする。
決して難しい本ではないので、あなたにぜひお薦めしたい。