吉川英治の小説

小説と歴史で楽しく過ごす! では、お薦めの小説や、楽しい歴史小説を紹介しています。

また、楽しい小説の探し方や効率的な買い方に関する情報も紹介して行きたいと思っていますので、どうぞゆっくりとご覧ください。

吉川英治の歴史小説

吉川英治の歴史小説

吉川英治の歴史小説が好きだ。

多彩な歴史小説を残した吉川英治。

彼の小説は、僕が歴史好きとなった原点である。

そう、「三国志」である。

「何を難しそうな本読んでんだよ?」

「ん?めちゃくちゃ面白れぇんだよ。」

「何て本だ。ん?三国志ぃ??」

「まぁ読んでみろよ、貸してやるから。めちゃくちゃアツいぜ!!」

14歳の夏、僕は1冊の本で出会った。

それは、友人が昼休みにいつも読んでいた本だった。

なんて分厚い本だ、というのが最初の感想だ。

こんな分厚い本読めるわけが・・・・・・、ん??

なんだこれ、めちゃくちゃ面白いんじゃないの!?

それから僕らは、「字(あざな)」当てクイズなどをやる程に、「三国志」にはまり込んでしまった。

歴史のロマンの王道である、三国志。

万人にお薦めしたい。

それでは以下に、僕の感想メモを記す。

三国志 (1) 講談社

三国志 (2) 講談社

三国志 (3) 講談社

三国志 (4) 講談社

三国志 (5) 講談社

三国志 (6) 講談社

三国志 (7) 講談社

三国志 (8) 講談社

お薦め度 ★★★★★★★★★★

内容紹介

吉川英治作品の三国志。

紀元100〜200年代に渡る 魏・呉・蜀 3つの国の攻防をさまざまな英雄を通じて描く、壮大な歴史ロマン小説。

以下、各巻の概要。

【第1巻】

紀元100年代、日本では卑弥呼が邪馬台国を統治する頃、中国は後漢も霊帝の代、政治の腐爛は黄巾賊を各地にはびこらせ、民衆は喘ぎ苦しむ。

このとき、楼桑村の一青年劉備は、同志関羽、張飛と桃園に義盟を結び、害賊を討ち、世を救わんことを誓う。

―以来100年の治乱興亡に展開する壮大な世紀のドラマ。

【第2巻】

黄巾賊の乱は程なく鎮圧されたが、腐敗の土壌にはあだ花しか咲かない。

霊帝の没後、西涼の董卓が十常侍に代って権力の中枢に就いた。

しかし、群雄こぞっての猛反撃に、天下は騒然。

曹操が起ち、袁紹が起つ。

董卓の身辺には、古今無双の豪傑呂布が常に在り、刺客さえ容易に近づけない。

その呂布が恋したのが美女貂蝉―董卓の寵姫である。

傾国という言葉は「三国志」にこそふさわしい。

【第3巻】

黄巾賊の乱より10年、天下の形勢は大いに変っていた。

献帝はあってなきものの如く、群雄のうちにあっては、曹操が抜きんでた存在となっていた。

劉備玄徳は、関羽、張飛を擁するものの一進一退、小沛の城を守るのみだった。

打倒曹操!

その声は諸侯のうちにひろがり、国舅董承を中心に馬騰、玄徳など7人の謀議はつづく。

誰が猫の首に鈴をつけるのか。

―選ばれたのは、当代一の名医吉平。

【第4巻】

乱世の姦雄を自称し、天下を席捲した曹操も、関羽には弱かった。

いかな好遇をもってしても、関羽の心を翻すことはできなかった。

故主玄徳を慕って、千里をひた走る関羽。

そして劇的な再会。

その頃、夭折した兄孫策の跡を継いだ呉の孫権は、恵まれた自然と豊富な人材のもと、国力を拡充させていた。

失意の人−玄徳も、三顧の礼をもって孔明を迎えることができ、ようやく天下人として開眼する。

【第5巻】

新野を捨てた玄徳は千里を敗走。

曹操はなおも追撃の手をゆるめない。

江夏にわずかに余喘を保つ玄徳軍に対し、潰滅の策をたてた。

天下の大魚を共に釣ろう、との曹操の檄は呉に飛んだ。

しかし、これは呉の降参を意味する。

呉の逡巡を孔明が見逃すはずはない。

一帆の風雲に乗じ、孔明は三寸不爛の舌をもって孫権を説き伏せる。

かくて史上有名な会戦、赤壁の大捷に導き、曹操軍は敗走する。

【第6巻】

赤壁の大敗で、曹操は没落。

かわって玄徳は蜀を得て、魏・呉・蜀三国の争覇はますます熾烈に――。

呉の周瑜、蜀の孔明、両智将の間には激しい謀略の闘いが演じられていた。

孫権の妹弓腰姫(きゅうようき)と玄徳との政略結婚をめぐる両者両様の思惑。

最後に笑う者は、孫権か、玄徳か?周瑜か、孔明か?

一方、失意の曹操も、頭角を現わし始めた司馬仲達の進言のもとに、失地の回復を窺う。

【第7巻】

「三国志」をいろどる群雄への挽歌が流れる。

武人の権化ともいうべき関羽は孤立無援の麦城に、悲痛な声を残して鬼籍に入る。

また、天馬空をゆくが如き往年の白面郎曹操も。

静かな落日を迎える。

同じ運命は玄徳の上にも。

――三国の均衡はにわかに破れた。

このとき蜀は南蛮王孟獲に辺境を侵され、孔明は50万の大軍を南下させた。

いわゆる七擒七放の故事はこの遠征に由来する。

【第8巻】

曹真をはじめ多士済々の魏に対して、蜀は、玄徳の子劉禅が暗愚の上、重臣に人を得なかった。

蜀の興廃は、ただ孔明の双肩にかかっている。

おのが眼の黒いうちに、孔明は魏を叩きたかった。

――かくて祁山の戦野は、敵味方50万の大軍で埋まった。

孔明、智略の限りを尽くせば、敵将司馬仲達にもまた練達の兵略あり。

連戦7年。

されど秋風悲し五丈原、孔明は星となって堕ちる。

メモ

これほど壮大な歴史小説はほかに無いであろう。

広大な中国大陸を駆け巡る、英雄たち。

天下を獲らんとする、英傑たち。

群雄割拠の時代は、やがて3大勢力へと集結する。

君主、軍師、そして無骨な男たち。

此処には、さまざまな男の生き様がある。

僕は曹操が好きだ。

あのような英雄になりたいと思っている。

歴史小説の門を叩く者が必ず読む、通過点。

あなたにも、この感動をぜひ味わって欲しい。

三国志演義 (1) ちくま文庫

三国志演義 (2) ちくま文庫

三国志演義 (3) ちくま文庫

三国志演義 (4) ちくま文庫

三国志演義 (5) ちくま文庫

三国志演義 (6) ちくま文庫

三国志演義 (7) ちくま文庫

お薦め度 ★★★★★★★☆☆☆

内容紹介

元末〜明初(14世紀)に羅貫中の名のもとに文章化され、まとめられた歴史小説。

『演義』という言葉には「話を面白く解説する」という意味があり、これ以前より大道芸人や講釈師によって語られていた英雄達の物語、正史、注釈等々を元に著されたものを、清代に読みやすく改訂したものが現代の『三国志演義』の元となっている。

どの国、人物のことも私見をはさまず公正に記された正史に対し、 演義は蜀を正義として書かれており、劉備、関羽、張飛の桃園三兄弟や諸葛亮が大いに活躍する。

蜀を中心として書くあまり、多少のフィクションの部分や、史実に反する所も有る様。

メモ

この小説は吉川英治の作品ではない。

吉川英治の三国志を読んだ後に、興味があれば読んで欲しい。

なかなか面白い。

正史 三国志〈1〉魏書 1 ちくま文庫

正史 三国志〈2〉魏書 2 ちくま文庫

正史 三国志〈3〉魏書 3 ちくま文庫

正史 三国志〈4〉魏書 4 ちくま文庫

正史 三国志〈5〉蜀書 ちくま文庫

正史 三国志〈6〉呉書 1 ちくま文庫

正史 三国志〈7〉呉書 2 ちくま文庫

正史 三国志〈8〉呉書 3 ちくま文庫

お薦め度 ★★★★★★★★☆☆

内容紹介

『魏志』(全30巻)、『蜀書』(全15巻)、『呉書』(全20巻)によって構成される歴史書で、晋の時代の陳寿によって、265年に書かれた。

その書物はあまりに冷静、かつ公正に書かれた簡潔な文章であった為、四世紀に裴松之によって様々な雑説や異説、民間伝承等を集めた膨大な注釈が付けられ、清代に正史として選定された。

この『正史』とは「紀伝体」によって記されており、個々の人物像を知るのに適している。

また、全体を通して読むことにより、大きな時代の流れ、人々の思惑、権力の分布等が詳細に分かって実に面白い。

尚、魏志の東夷伝に記されている邪馬台国の記述は『魏志倭人伝』として有名。

※紀伝体=国の動きや帝王の伝記を年代順に記した「本紀」と、天下に名を現した個人の伝記等を記した「列伝」、その時代の文化史である「書」、諸侯の事績を記した「世家」、各所の年表からなる「表」によって構成される書物。

史記を記した司馬遷により、この体裁による記述が始められた。

メモ

各人の伝記形式の書物。

これも、吉川英治の作品ではない。

吉川英治の三国志や、三国志演義を読んだ後に読むと、小説として語られた三国志とは違う、各人の歴史がわかり面白い。

また、小説と伝記という2つの違う角度から三国志の英雄を見ることができるため、三国志への理解がよりいっそう深まる。

正史自体は非常に公正に史実のみを記した文章となっているため、読んでいて心地よい。

もっと深く三国志の世界を知りたい人に、ぜひお薦めしたい。

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